第1章 若き料理人へ 目次|料理人と仕事

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第1章 若き料理人へ 目次

本書は「料理人の職業ガイドブック」です。わが国の西洋料理界を代表し、ホテル料理長として、数多くの料理人を育てた著者が、豊富な経験と、現代の望ましい料理人像を語ります。いまの時代、いろいろな人が、いろいろな角度から「料理」というものをながめています。時々きかれるのは、「料理人は、なにを、どう考えるものなのか?」「良い料理人とは、どこがどう良いのか?」「ひと皿の料理、一枚のメニュー、それをきめる理由とは?」これら「料理人の実態って、なんだろう?」というクエスチョンに、この本は、かなりのところまで答えられるように思います。ここにあるのは、たんなる個人の意見でなく、洋食の料理界につたわる職業上の方法論でもあるし、人間の知恵でもあるし、脈々と流れる、料理人としての意識でもあります。これらを、調理場でない部所の人に、食品関係の人に、とりわけ料理人をマネージメントする立場の人に、知ってもらえれば、と考えていました。洋食という、おなじものを追いもとめる者の間では、人によって、場所によって、反転するほどのちがいは生じないはずです。 この本は料理の作り方ではなく、料理人を通してものごとを見たときの「料理人として、どうあるべきか」であるし、また料理界の潮流についてでもあります。「若き料理人へ」「料理人の五感」「メニューの前に」「料理番」「メニューをつくる」「献立表」「モノローグ (時代的変化) 」を1冊にまとめた新装本です。料理について何も知らない人が、この職業を選んで、調理場に入って、学んで、育って、道を登っていく過程。基本的なメニューの作り方から昼食会、婚礼、ビュッフェなど実例メニューが解説されます。ホテル、レストラン、フードサービス業、ならびに料理専門学校などで幅広く利用されています。優れた料理人の育成と料理人に対する理解を深める意味で、新入社員の方々から管理職の方々まで、広くお薦めします。

目次

序章


はじめに

第一章 若き料理人へ


料理人をこころざす人の条件

料理人の必須条件

1、健康なからだ

2、精神の統括力

3、職業上の勉学

4、つくるものへの愛情
料理人の時間は

1、どのように始まり(調理場のシステム、入門の第一~第四段階)

2、なにを経て(だれが何を教えるか?セクションへの配属)

3、どこに至るのか

4、質問と答え
上に立つ者の役割

1、料理長の役割(方法論ということ料理の結果チェックとウオッチ)

2、セコンドの役割(人のマネージメントチーフとセコンド)

3、大きい組織で分業システム(分業とトータル)
料理人の顔

1、料理人と衣服

2、料理人のからだ

3、料理人と内面の顔
料理人の幸福と不幸

1、質問と答え

第二章 料理人の五感

視覚

1、見ること・見分けること

2、美的な視覚

3、調理場の照明
聴覚

1、「音」耳できく調理法調理場の音調理場のことば
嗅覚

1、料理人の鼻

2、嗅覚のトレーニングと劣化

3、におい変化の状態をあらわすもの調理場のにおい素材のにおい料理のにおい
触覚

1、「触感」手でみる〝ものの性状〟
味覚

1、料理人と歯医者

2、味見の順序

3、うまさの感度の発達について

4、料理人と日常の食生活
とくに料理人の舌

1、味の記憶力

2、味覚の平均化と、味覚の確立

3、味覚コンピュータ

第三章 メニューのまえに

洋食のコースとメニュー(食事の皿かずフルコースの所要時間)
食事のスタイル(ア・ラ・カルトと定食会食バンケットカクテルパーティとカクテルビュッフェ)
ひとりの分量(平均的な食べ手の想定メインディッシュの目安250gあまりにも非日常的な婚礼メニュー)
栄養素とカロリー

オードブルとスープ(およびスープとぶどう酒)
メインディッシュ(およびルルヴェとアントレ)
ステーキとポワレ(ローストとポワレステーキとオ・ポワル)
じゃがいもと野菜(付けあわせについて)
グリーンサラダ

デザート

1、基本条件

2、フルーツデザート

3、粉もの・フルーツ台・クリーム系
デザートの決定まで(フルコースをきめる順序)

1、例1ビーフステーキメニュー

2、例2舌平目メニュー
メニューの書きかた

1、料理名と単語

2、ふたたび料理人とフランス語

(付)料理番

第一日め(大人数と小人数)
第二日め(塩かげん)
第三日め(火と熱)
第四日め(水をつかう)
終了(味をきめる)

第四章 メニューをつくる

メニューをきめるときの前提条件(年令と性別洋食の季節性その他)
条件不明のメニュー(会食者がわからないとき。例3・4(二種オードブル)
昼のメニュー(昼時間の考えかた。例5昼の定食、例6同素材で昼の会食)
定食の昼と夜(時間帯の考えかた。例7昼の定食、例8同日の夜の定食)
年令と嗜好(年配の人・若い人(男性)を対象に。例9若い人、例10年配者)
婦人の昼食会(女性を対象として。例11秋~冬、例12春~夏、例13盛夏)
親族の会食(年代と性別の混合。例14・15祝いごと三本立てメニュー、例16子どもメニュー、例17不祝儀)
二泊三日の連続メニュー(三日間四回のフルコース例18~例21)

第五章 献立帖(控)

ホテルの朝食

和洋折衷メニュー(例22・23)
ビュッフェメニュー(例24「50人」、例25「400人」、例26「1600人」)
婚礼の正餐(例27)
ダイエットか健康か(栄養素の多いメニュー例28)
職業と嗜好(例29・30経験的美食家、例31・32青年部定例会)
都市とリゾート(例33夏の高原ホテル)
主義の自然(ベジタリアンメニュー。例34厳密な菜食、例35卵と乳製品可の菜食)
宗教の自然(食戒律による限定。例36羊をメインに、例37魚の金曜日、例38チキンをメインに、例39ポークをメインに)
外国の人を主賓として1、世界的傾向のメニュー例402、ヨーロッパ風のフランス料理例413、相手国の産物や嗜好を組み込むメニュー(例42ドイツ、例43英国、例44・45アメリカ合衆国、例46カナダ)

第六章 モノローグ

タマゴ(時代にともなう価値感の変化)
ニワトリ(時代にともなう素材の変化)
ミニッツステーキ(時代にともなう肉の調理法の変化)
ガルニチュールの横顔(洋食における野菜の現状)
電子レンジについて

「求むデザートベーカー」

四季のメニュー(例47~50)
料理人と自己表現(表現法の変化、質問と答え)
「フランスへ行く」(料理界の変化)